2026年6月10日 - JOURNAL
「リノベしたのに、冬が寒い。」
これは、断熱に手をつけなかった工事でよく起きることです。見た目が新しくなっても、断熱が旧来のままでは毎年冬と夏に後悔することになります。
群馬県は寒暖差が大きく、夏は猛暑、冬は底冷えという気候です。だからこそ断熱リノベの重要性は、他の地域以上に高い。ここでは、ティーズが実際に取り組んでいる断熱工法の種類・費用・効果を正直にお伝えします。
築20〜40年の住宅の多くは、現在の断熱基準を満たしていません。理由は二つあります。
一つ目は、当時の基準が現在より低かったこと。1980年の「省エネ基準」制定以前の住宅は、断熱材そのものが入っていないケースがほとんどです。
二つ目は、断熱材が経年劣化していること。グラスウールなどの断熱材は、施工が不十分だと湿気を吸って自重で下がり、壁の中に「隙間=断熱欠損」が生まれます。こうなると、断熱材があっても機能しません。
解体してみて初めて「断熱材が入っていない」「ほぼ機能していない状態だった」とわかるケースは、ティーズの現場でも珍しくありません。
壁を大きく壊さずに、内側から高性能断熱材「セルロースファイバー」を吹き付ける工法です。セルロースファイバーは新聞紙などを原料とした天然素材で、隙間なく充填できるため気密性も同時に向上します。吸湿・放湿の調湿機能と防音効果も持ち合わせており、断熱以外の住み心地の改善も期待できます。
内壁に30㎜の空洞を作りセルロースファイバー断熱を吹き付けていきます。そのためお部屋が少し狭くなりますが、30㎜の差は体感ではほとんど感じられません。
・費用の目安:内壁面積150㎡程度で100万〜150万円程度
・工期の目安:2週間〜6週間程度(壁の面積、住みながらの工事になるか等で大きく変わります)
・特徴:スケルトンにしなくても対応できるため、部分リノベにも向いている
既存の外壁を解体せず、その上から断熱材+新しい外壁材を重ねる工法です。「家ごと魔法瓶で包む」ようなイメージです。内部に手をつけずに外側から断熱性能を底上げできるため、生活しながら工事が進められる点も特徴です。外観のリフレッシュも同時に実現できます。
・費用の目安:外壁面積150㎡あたり200万〜300万円程度
・工期の目安:4〜6週間程度
・特徴:廃材が少なくコストを抑えやすい。外観も同時に刷新できる
既存の窓の内側に、もう一枚樹脂製の窓を設置する工法です。断熱改修の中で最も費用対効果が高い手段の一つです。窓は冬の熱損失の約50%を占めると言われており、内窓の設置だけで室内の温熱環境は大きく変わります。結露の軽減・防音効果もあります。
・費用の目安:1箇所あたり8万〜20万円程度(サイズにより変動)
・工期の目安:1箇所あたり約1〜2時間(生活しながら施工可能)
・特徴:補助金(子育てエコホーム支援事業など)の対象になることが多い
断熱の性能を比較するときに使われる指標が「UA値(外皮平均熱貫流率)」です。数値が小さいほど断熱性能が高く、省エネです。
UA値 0.87以下:現行の省エネ基準(2025年以降義務化)
UA値 0.60以下:ZEH(ゼロエネルギーハウス)の基準
UA値 0.40以下:高性能住宅として認知される水準
リノベーション後にどの水準を目指すかは、予算と物件の状態によって変わります。ティーズでは、現状の建物を調査した上で「どの工法でどこまで改善できるか」を具体的にご提案します。
断熱改修は、国・自治体の補助金が使えるケースが多いです。
・子育てエコホーム支援事業:内窓・断熱材・エコ設備が対象。子育て世帯は補助上限が高い
・長期優良住宅化リフォーム推進事業:大規模断熱改修と相性が良く、最大補助額が大きい
・群馬県・高崎市の独自補助制度:年度により内容が変わるため、相談時に最新情報をご確認ください
補助金は着工前の申請が必要なため、資金計画の段階から組み込むことが重要です。
「どうせリノベするなら、断熱もちゃんとやりたい。でも費用が心配」という方が多いです。断熱工事は、全部を一度にやる必要はありません。物件の状態・予算・優先順位を確認しながら、「今やるべきこと」と「後でできること」を一緒に整理します。群馬の気候に合わせた断熱計画を、二級建築士の視点からご提案します。まずは話を聞かせてください。